人工膵臓とは?
POINT1 膵臓ってこんな臓器
膵臓は食べ物の消化を助ける膵液や、血糖値を下げるインスリン、血糖値を上げる
グルカゴン※を分泌しています。
体内に取り入れられたグルコース(ブドウ糖)はグリコーゲンに変わります。グルカゴンはこのグリコーゲンの分解を促し、血糖値を上昇させています。
POINT2 人工膵臓ってこんな装置
当社の開発した人工膵臓STGは、生体の膵臓機能を模擬するために特殊なプログラムを搭載しており、持続的に血糖値をモニタリング、一定値にコントロールすることを可能としています。
大きな怪我や手術のように、私たちの体が外から大きなダメージを受けた場合、血糖値が急激に上昇し、生活習慣病などで知られるようになった糖尿病と同じ状態になります。そのような場合、怪我の回復、手術後の治癒の段階において感染症を引き起こす可能性が高くなってしまいます。
そこで医療機関では、定期的に血糖値を測り、手動でインスリンやグルコース(ブドウ糖)を注入して血糖値を適正値にコントロールします。ただし、私たちの体(膵臓)も同時に血糖値を適正値にコントロールしようとしますので、手動でコントロールしきれずに、適正値より大幅に高値、低値になることがあります。特に低値になると低血糖発作と呼ばれる大変危険な状態を引き起こすことがあります。
人工膵臓は、上述のようにその血糖値のコントロールを手術中、手術後にわたり、インスリンやグルコースを自動で注入することによって、常に適正な血糖値に保つ働きをします。40年以上にわたり使われてきたこの人工膵臓は、一度も低血糖状態に患者さまを導くことなく臨床現場で使われています。また、結果的に、患者さまの手術後の感染症などへの発展を抑制することがすでに報告されており、患者さまの早期退院に寄与しています。
さらに、医療機関において、医師や看護師の血糖値コントロールに要してきた時間を大幅に削減することができ、きめ細やかな対応を他の治療・看護時間に割いていただくことをめざします。
POINT3 人工膵臓事業について
現在、日機装の人工膵臓は世界唯一の技術ですが、国内販売しかされていないことから、この処置が受けられるのは国内のみとなっています。