社会への取り組み
(その他)
品質保証体制
「技術の日機装」を掲げている当社グループにとって、品質は経営の本質に関わる課題であり、製品企画・受注活動から設計・部品購入・製造・サービスに至るすべてのプロセスの結果であるという認識のもと、全社を挙げて品質保証体制の強化に取り組んでいます。
ISO9001、ISO13485、AS9100等、製品分野に応じた品質マネジメントシステムを構築しており、製品設計や製造における品質および安全の確保について取り組み、そしてその運用状況を第三者監査および自主監査により定期的に確認しています。
品質問題の市場対応についても、事業ごとに対応手順を定め、適切な情報開示、所轄当局への連絡、回収、安全対策を講じており、その運用状況は第三者監査および自主監査により定期的に確認しています。
また、当社製品・サービスの安定化にはお取引先に対する品質保証体制の強化が不可欠であることから、部品購入を行うお取引先に対する課題を可視化し改善を図る活動を、全社で標準化し運用しています。
サプライチェーンマネジメント
CSR調達方針
各種ポンプ、電力用システム装置、産業用システム装置などの環境関連製品、および透析関連製品を中心とした高度先進医療機器などを幅広く製造・販売し、世の中に貢献しています。
- 関連法規、ルールを遵守します。
- 幅広い調達ソースを求めます。(海外も含む)
- 徹底した競合により価格・品質・納期および技術力(開発力含む)などの総合評価を実施し取引先を選定します。
- 取引先選定は常に公明、公正、公平を旨とします。
- 過剰仕様を排除し、標準品の調達を基本とします。
社会貢献活動
基本的な考え方
日機装グループにおける社会貢献は「イノベーションを通じた顧客の課題解決」「安全・安心な製品づくり」など事業を通じた社会貢献と、地域の課題やよりよい社会づくりに関わる社会貢献の双方と考えています。
社会づくりに関わる社会貢献では、事業との関連性が高い医療やヘルスケアなどを軸に、次世代育成、健康、地球環境保全、地域社会とのコミュニケーションなどの分野を中心に、従業員と一体となった活動として、従業員の積極的な参加を促進しながら、グローバルに展開しています。
具体的な取り組み
金沢テクノパーク科学教室開催
金沢製作所は2010年から毎年、金沢子ども科学財団※1との共催で、市内の小中学生を対象に「腎臓はどのようなはたらきをしているの?」というテーマで、金沢テクノパーク科学教室を開催しています。2022年12月までに延べ44名の参加がありました。透析器を使い、牛乳や泥水等を濾過する実験を行い、模擬透析の実演により透析器が腎機能の一部を代替していることを子どもたちに理解してもらっています。科学の進歩により開発されてきた透析器が世界中の多くの命を救っていることを伝えています。また科学教室を通して理科や科学に興味を持ってもらい、未来の科学者の育成に繋がっていけばと願っています。
「にっきそうの森」づくり活動
当社は2013年に迎えた創立60周年記念事業の一環として、東日本大震災被災地復興のためのボランティア活動「にっきそうの森」づくりに取り組んでいます。
「にっきそうの森」は、宮城県大衡村にある県有林をお借りし、命名したもので、春と秋の年2回、間伐・除伐、植林、遊歩道整備など、地元の方々の憩いの場となる公園づくりを行っています。また、毎回被災地を訪問し、語り部の方々のお話を伺い、震災への理解を深めています。当該活動は、2013年10月に第1回を開催し、2018年までの計9回の活動を実施しました。
今までの訪問地
金沢テクノの森づくり活動・美化活動
金沢製作所は、金沢テクノパークで操業する企業8社※2と金沢市で組織する「金沢テクノパーク連絡会」に所属し、環境活動の一環で2007年から春と秋の年2回、森づくり活動を行っています。金沢製作所がある工業団地(金沢テクノパーク)進出企業の従業員およびその家族が参加して、テクノパーク運動広場に隣接する緑地帯(約2ha)の樹木間伐や遊歩道の整備など、森を守り育てる活動をしています。これまで350名近くが参加し、スギやコナラなどの樹木の間伐・伐倒破砕、遊歩道や階段の整理、ベンチや巣箱の設置などさまざまな活動をしています。毎年森に手を加えることで森全体の環境が守られています。この活動が認められ、2011年に当社を含む金沢テクノパーク連絡会が地域や里山里海を守るための活動を実践している団体を対象にした「いしかわ版里山づくりISO」に認証されました。
また、2006年から毎年春に、進出企業や地元の町会連合会と協力して、毎日通勤に利用しているテクノパーク沿道のゴミ拾いや除草等の美化活動も行っています。 2010年にはテクノパーク運動広場において、「周辺道路の清掃活動」、「テクノパーク内公園の環境整備」について、「金沢テクノパーク連絡会」はグッドマナー宣言をしました。これは、金沢市市議会で可決された「グッドマナー実践都市宣言」に基づき、金沢市がグッドマナー宣言をした団体に登録証を交付する制度です。企業団体としては初めて登録証の交付を受けました。
金沢マラソンに協賛
当社は、金沢市に製作所を持つ地元企業として、金沢マラソンの運営に初開催から協賛しています。同大会は、北陸新幹線の金沢開業にあわせて開始された、日本有数の観光地である金沢市内を駆け抜けることのできる、人気の高い市民フルマラソン大会です。
2015年第1回目から当社従業員は給水・給食所等のボランティア運営スタッフとして、沿道で懸命に走るランナーに声援を送りながらサポートしました。
TFT活動
金沢製作所では対象となる定食や食品を購入すると、1食につき20円の寄付金が「NPO法人TABLE FOR TWO」を通じて、開発途上国の子どもの学校給食1食分となる活動を継続しています。先進国で1食とるごとに開発途上国に1食が贈られるという仕組みです。金沢製作所ではTFTが定める①カロリーが730kcal程度、②栄養バランスが適正、③野菜が多めとした基準を満たしたTFT食を提供し、従業員の健康管理にも役立てています。この活動は2011年より参加しており、2022年12月現在で30,200食以上を贈っています。今後も世界中の子どもたちに給食を届けられるよう協力していきます。
車椅子の寄贈
東村山製作所ではアルミ缶を集め、ジャパンビバレッジグループが主催する「エコ&ハローキャンペーン」への参加を通じて、車椅子への交換をしています。これまでに東村山市福祉協議会と東村山市立第七中学校に寄贈し、また東村山製作所にも設置しました。
献血・骨髄バンク登録活動
各製作所では献血活動を行っています。2022年12月現在で延べ5,068名の献血者が協力しています。また、金沢製作所では骨髄バンク登録も同時に実施しています。
工場見学会
各製作所では、地元小中学生の工場見学受け入れを行っています。
加賀象嵌の保存・普及に向けて
日機装株式会社は、創業者 音桂二郎により、加賀象嵌の振興発展をもって地域産業の基盤強化と伝統文化の向上に寄与することを目的として、公益財団法人宗桂会を金沢の地に平成5年に創立しました。財団発足以来、加賀象嵌技法の後継者育成、金工技術の発展普及のため、数々の啓発事業などを進めています。
音桂二郎は加賀象嵌の名門、山川孝次家の系譜にあって、戦後いち早くハイテク産業を興した技術者として、自らのものづくりの原点と矜持を精緻な加賀象嵌の技に見出していました。
日機装金沢製作所開所に際し、日本の誇るべきこの技の継承発展を図り、これを次世代に伝えるための活動を展開するために財団を発足させました。
加賀象嵌の仕事が見せる華麗な創造美の世界は、極めて精緻な技をひたすら丹念に磨くことによってのみ生まれ出るものであり、それはまた日機装が独創的な技術によって特徴あるさまざまな製品を生産することにより、社会に貢献していこうとする基本姿勢とも相通じるものがあります。
加賀象嵌とは
加賀象嵌は16世紀末、加賀を支配した前田家が京都方面から技術を導入してこの地で発展してきた、武家に必須の装剣金具や馬具の鐙などに代表される、華麗で洗練された意匠感覚をもつ装飾性豊かな金工です。
象嵌とは金属素地をたがねで掘り下げ、そこに別の金属を嵌めて打ち込むことで文様表現を行う技法で、鍔などの装剣具を専らとする白銀師と、馬具である鐙の象嵌を行う鐙師の二系統がありました。とりわけ鐙象嵌では、堅牢精緻な平象嵌の技法と、豪華で卓越した文様の面白さや多様さが高く評価されました。
宗桂会館
金沢製作所内に石川の伝統工芸「加賀象嵌(かがぞうがん)」と日機装の先端技術を展示、紹介する宗桂会館があります。この展示館では、加賀象嵌作品の展示や、その制作工程の説明がされているほか、日機装の主な製品やシステムを紹介しています。
常時公開していますので、ぜひご来館ください。
名前の由来
日機装の創業者 音 桂二郎の曾祖父「初代 山川孝次」、祖父「二代 山川孝次」 の号「北宗斎」「宗斎」に由来する『宗』と、桂二郎の『桂』から、『宗桂会館』と名づけられています。
公益財団法人 宗桂会「月浦工房」
公益財団法人 宗桂会では、加賀象嵌をはじめとする伝統工芸技法の継承発展、若手金工作家のサポートを目的として、平成20年4月に「月浦工房」を開所しました。山間の自然に囲まれ、四季を身体で直に感じ取れる静かな環境の中に「月浦工房」はあります。日機装株式会社 金沢製作所に隣接した金沢市月浦町の古民家を改装し、制作活動を行っています。
月浦工房からは、これまでに7名の若手金工作家が巣立ち、各自の工房等で活躍しています。金沢で伝統金工技法を習得した若手作家がこの地に根付き、この地で作家として成長していける足がかりとなるよう、宗桂会は今後もサポートを続けていきます。
地図はこちら(金沢製作所のページをご覧ください)
工業技術奨励活動
工業技術の発展を目指して設立した「一般財団法人 一樹工業技術奨励会」の活動を紹介します
一般財団法人 一樹工業技術奨励会
日機装は、創業者 故 音桂二郎氏が、「天然資源の乏しいわが国にとって生産性を高める事が肝要であり、工業技術の振興をとおして国民生活の向上に寄与したい」という音申吉氏(初代日機装株式会社会長)の遺志と私財を引継ぎ、1962年11月に設立しました。
日本を取り巻く状況は設立当時も現在も変わりがなく、財団の存在意義、活動の重要性は、いっそう増しています。設立者の思いを今に引継ぎ、工業技術の発展に着実に寄与することにより、社会への貢献を続け、その期待に応えてまいります。